『amanogawa』 played by 佐藤竹善
カバーアーティスト:佐藤竹善
オリジナルアーティスト:Skoop On Somebody
7月7日(から数日過ぎてしまったけれど)にちなんで、Skoop On Somebodyの名曲『amanogawa』を。
歌詞がとてもとても切ない曲。二人の別離を描いた歌ではあるんだけど、なんというか、感情をなるべく押し殺しているというか。
さよなら、とか、さみしい、とか、切ない、とか、別れを描くバラードの常套句が一切出てこない代わりに、コトバが途切れ途切れになっているような表現が随所に出てきて、それが却って切なさを強く思わせる、そんな歌詞。
たとえば2番のBメロ~サビを抜粋すると、
僕から電話をしない約束を
守られずに
守れるはずもないくせに
もう一度だけでいい
もっと自由なはずさ
僕たちは誰かの心をキズつけても
どうしようもないよね
どうしようもないんだよね
のみこんだ言葉は溜め息にもならない
という感じなのだけど、微妙に文章がつながっていないところが、逆に切ない感じを引き立たせているように感じさせている、気がする。
「僕たちは誰かの心をキズつけても」の続きをのみこんで、溜め息としてはき出すこともできずに。何と言ったらいいのか、適当な言葉が見当たらないのだけど。一人称でそのシーンを写実的に表現してる感じ、というか。
amanogawaというタイトルが先に生まれたのか、それとも歌詞があってamanogawaというタイトルが浮かんで、それで微調整を加えたのか。それはわからないけれど、とても「amanogawa」という言葉が持つ切なさをうまく表現していると思う。
そんな曲をカバーしたのが、まさに「実力派」と呼ぶにふさわしい佐藤竹善。彼が定期的にリリースしているカバーアルバム「Cornerstones」の2作目に収録されている。
彼のちりめんビブラートが効いたファルセットから入るBメロなんか、ザ・佐藤竹善という感じで、見事自分のものにして歌い上げている。
歌っていうのは、上手さ以上に好みの方が大事だったりするけれど、個人的に彼の歌は、日本でもトップクラスに憧れを抱く歌。あんな風に歌えたらな、と思う歌。
大好きなシンガーが大好きな歌をカバーし、それに乗じてカラオケで歌ってみるけれど、彼のようには歌えない自分に失望を感じてしまう、そんな一曲(なんだそれ)。
ぜひ、ご堪能あれ。
※なんかYoutubeへリンクが貼れない?っぽいので、こちらから。
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